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第1弾に引き続き、『Unreal Fest Extreme 2021 Summer 』についてお届けします。
講演後のQ&Aセッションにご参加いただいた皆様、ありがとうございました。予想を上回る数の質問をいただき、時間内に回答できなかったものがありましたので、全ての質問事項に関して、こちらに回答を纏めました。
Q: もう1回プレイしたいんですが、また期間限定でできるようにしてもらえないでしょうか? もし難しければ、全プレイ動画をYouTubeにアップしてほしいです。
A:弊社としても残念なのですが、期間限定で公開されており、今のところ再公開の予定はないようです。ゲーム内の全ての「ZONE」のウォークスルー動画が配信されておりますので、こちらをお楽しみください。
Q:ボリューメトリックキャプチャのファイルサイズはどの位ですか?大量のボリューメトリックキャプチャをゲームに組み込んだ場合ボトルネックはどのあたりに現れますか?
A:ファイルサイズのレンジですが、ボリュメトリックキャプチャのクオリティターゲットに対して、1~2GB程度でした。ゲームに組み込んだ際の主なボトルネックは、ボリュメトリックキャプチャのデータの特異な性質上、CPUだったと言えます。データはMP4形式で保存し、ランタイムで再生します。つまり、データのデコードにCPUが使われることになります。
Q:パフォーマンス・最適化で苦労したことはありますか?
A: GPUに縛りがあったため、ゲームのビジュアル的なリアル感を上げつつ、全体のGPUの使用を丁度良いレベルに保つのに苦労しました。
Q:Gauntletの使い勝手はどうでしたか?導入を検討しているので気になります
A:Epic Gamesが、Gauntletのオートメーションフレームワークに関する資料を提供してくださっていますので、そちらを参照しました。もちろん、導入は簡単ではありませんでしたが、資料に加え、他の開発者のフレームワークを参照したところ、こちらを採用することが少し容易になりました。Gauntletのお陰で、ゲームのテストやプロファイリングが、格段にやりやすくなったのは間違いありません。
また、作業を始めてからは、手作業でテストをして時間を無駄にすることなく、作業を進めたり最適化できていたので、断然Gauntletファンになりました。
*Gauntlet Automation Frameworkに関するドキュメントは以下になります。
Q:プロジェクトの開始当初からWEBでの公開を想定していたのでしょうか。今回、WEB公開したサーバのスペックを教えてください
A:Web公開は最初から想定していたもののひとつではありましたが、ゲームのウェブストリーミングのテストは、ちゃんとしたプロトタイプが出来上がってから始めました。サーバーは、AWS 2xlargeです。
Q:バレンシアガのデザイナーは、今回のプロジェクトによって、どんな刺激を受けたのでしょうか。フィードバックはありましたか。
A:(こちらは、当日のQ&Aセッションで回答させていただきました)まずStreamline側で勉強になったこと、刺激を受けたことは、Streamlineはゲーム開発会社ですので、「ゲームを作るぞ!」となった場合に、ゲームの機能的な面(どこにボタンを置くか、どこでイベントを発生させるかなど)を戦略として主に考えますが、全く同じ『ゲーム』というツールを使用しながらも、バレンシアガ社は「美しさ」「静けさ」「旅を共にする」など普段領域としている、ステージ、舞台、芸術といった観点でのアプローチが重要で、同社の「新しいものを作りたい」「ストーリーを伝えたい」「美しいものを共有したい」という芸術的な点は私たちのゲーム制作への新しいインスパイアとなりました。
(Izzalより)どちらかと言えば、こういった事例は、ファッションブランドに今後の可能性について異なる視点を与えたと考えています。このパンデミックにおいて、誰もが、普通なら対面やライブでやることをを、デジタルの世界に目を向けるようになりました。今回のプロジェクトは、バーチャルでのファッションショーがそう遠い未来の話ではないことが示され、始まりに過ぎない、ということを誰もがわかったと思います。今後、ファッションショーにもっとARが投入されても、不思議ではないですね。
Q:今回の制作の結果から、今後、ボリュメトリックキャプチャビデオを使って、リアルタイムの(ファッション)ショーを制作したりなど、同時接続の多そうなこともUnrealで出来る可能性は高いという判断になりましたでしょうか?
A:テクノロジー系の面白い話として、大概の質問に対する答えは「はい」なんですが、そこから「コストはどのくらい?」「時間はどのくらいかかる?」という話になってきます。例えば今回、開発初期の段階では、マルチプレイヤーにすることも検討されましたが、そのために必要となる時間や予算は、このイベントのゴール地点をはるかに超えていました。
でも、この技術を用いて、大規模で実際にファッションショーを行うというアイディアは積極的に開発されているコンセプトですね。既にやっているブランドや企業もあるみたいです!
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